「陰陽師」とは、占いにより政治などを正しく導いたり、数々の難事件をその呪術により解決するなど、なくてはならない存在である。古来より今も残る陰陽師の名門として、「安倍」「蘆屋」の両家が存在した。一時はライバルとしてお互いのことを良く思わない時期もあったが、安倍家と蘆屋家はお互い協力し合い、数々の困難を乗り越えてきた。この物語の主人公は「安倍龍之介」、安倍家の末裔である。不幸なことに生まれてすぐ両親を事故で亡くしているが、祖父「安倍吉平」の手により、元気に育っている。ある日、祖父・吉平は孫の龍之介に自分の後を継がせるため、龍之介を一人前の陰陽師にするための試練を与えた。それは「葛葉の森」のどこかにある「式符」を探し出し、式神との契約を済ませることであった。吉平の後を継ぐことにあまり乗り気ではない龍之介であったが、ひとり「葛葉の森」へ向かうのであった。しかし、そこで龍之介は思いもよらない事件に巻き込まれることになる…。 |